突然鹿児島に行くことになった。
「春休みだから、娘と孫たちは旅行に出かけるから一人になるのよ」
「だから宮崎に遊びに行く」と言うのかと思ったら「鹿児島においでよ」と
鹿児島の友は確信犯だ。
「急に言われてもこちらにも都合ってものが、、、」でもゆっくり考える暇はない。
春休みの旅行✈️だから、4〜5日で娘さんたちは帰って来る。
その間にってことは、もう急がなくては❣️
電話の翌々日、26日には出発。突然だけど1泊だけの小さな旅を決めた。
カレンダーを見ながら、スポーツジムは休むとすれば後は何とかなるか。
すると
「去年貴女が美味しいと気に入った港のお寿司🍣奢るよ」
ころりと私は迷いを捨てて、26日に行く、、と応えてしまっている。
まったく簡単だよ私って。
ゆっくりはできない旅。それもまた面白そう。家族が留守の間の逢瀬。
スリルあっていいな〜。
ここまで読むとちょっと危うい逢瀬かな、と思われそうだが、
まさか女性同士の色気も何もない、高校時代からの古い腐れ縁の友人だとは残念。
ところがその日は台風並みの強風が吹き荒れていて、用心のため早めに宮崎駅に着いたが、
鹿児島行きの特急は、私の乗る電車の前の電車がまだ停車していて、発車見合わせ中だと言う。
春休みだし宮崎駅も混雑している。やれやれこの日に限って運が悪い。
強風の中、宮崎駅を出てすぐの大淀川を渡るのが危険、らしい。
50分遅れでようやく速度を落として出発するというアナウンスがあったので私も急きょ2時間
前倒しして「きりしま9号」に飛び乗った。
自分の予定の11号はもっと遅れる可能性が大。
Jr九州のネット会員に登録している私は指定席なしで往復の予約を昨日入れてある。
期日内ならどの特急に乗ってもいいから便利である。
鹿児島までの乗車券に特急券まで入れて、通常の半額に近い。
騙されるだけがネットじゃないよ。真っ当に使えば便利でお得だ。
いよいよ「特急きりしま9号」は大淀川をノロノロと渡り始めた。
確かに強風の吹き荒れる音が酷くて列車が横揺れしてる感じ。乗客は緊張する。
わたしも「ここで大淀川に落ちて死にたくはないよ〜」と、窓から川を見つめる。
突然決めた旅。私の運命ここで終わる?なんて思いながらもちょっと面白がる気持ちもある。
橋を渡り終えても、ノロノロ運転はしばらく続き鹿児島に着いた時には1時間の遅れ。
車内放送で何度も遅れた理由と同時に「申し訳ありません」を繰り返す。
そんなに謝らなくてもいいのにとうるさくなって来る。JRのせいじゃないのに。
私は一つ早い列車に乗ったから、50分遅れと言っても予定より早めに鹿児島に着いてしまった。迎えの彼女はまだ来ていない訳だし、連絡だけして鹿児島の駅で時間を潰そうか、
と思ってスマホを出したら、急に背中を叩かれた。
時間も見ずに彼女は駅に着いたらしく列車の到着時間など何も心配していなかった。
不思議だが、まあ無事に会えてよかった。説明するのもややこしい。
二人は強風に飛ばされそうになりながら鹿児島港近くの
「廻る寿司めっけもんドルフィンボート店」にゆっくり歩いた。
去年二人で屋久島に行く前に食べに寄った、鹿児島港内のお寿司屋。
美味しかった〜。
だから奢ってもらうと聞いてすぐこの話に乗ったのだが、考えて見たら前回も私は奢ってもらっている。
桜島がこの日も悠然とすぐ近くにそびえていた。少し風も落ち着いて、雨の予報だったのに
お天気は快晴。
やっぱり私は晴れ女だ。
お寿司を食べた後、彼女の車で立派な武家屋敷の家へ。
ご主人を亡くした後、家を守って一人で頑張ってきたが、5年ほど前から娘さんとお孫さんと
同居している。
夜は西郷さんが立ち寄ったという、彼女の家の近くの鄙びた温泉へ。